akaritaguchi

25歳。インスタグラムは体裁でツイッターは軽率です。語尾がバラバラですみません

『復讐者たち』と『アウシュヴィッツ・レポート』

新宿武蔵野館で 9:45から 2本立て続けに。朝からカフェラテしか飲んでいないのに胃がもたれました。

私は学生時代ナチス関係の授業に身を入れていたのでこの手の作品は割と観てます。お話しできる方 是非。

扱っている題材が重いのには変わらないけれど『復讐者たち』の方がストーリー性があるから観やすいかもしれない です。原題は『Plan A』 良い邦題だと思いました。始めと終わりに同じ言葉で視聴者への問いかけがなされていて 本編を観る前と後でどう考えるか それはその人によって異なるし人間として正解を出せる気なんてしない むしろ考えない方が幸せなのかもしれないけど 人間だからこそ思考が止められない。「目には目を600万人には600万人を」ハンムラビはこれをも想定していたかな。一生赦されることも傷が癒えることも無いのだろうけど記憶からは消えていく。Never Again 彼らが口にするその言葉は誰が言うよりも重いことが悲しい。ホロコーストの概要が分かっていればそんなに難しくないと思うのでナチ映画デビューにもいいと思います。

救いが無いのは先と同じだけど『アウシュヴィッツ・レポート』は12万人の命を救うに至るまでの史実を元にしている点だけを見ればそれは善行にアプローチをしたある種“ハッピーエンド”の作品なのかもしれない。ただ全編94分の内前半の半分程がアウシュヴィッツ・ビルケナウ収容所での悲惨な様子を描く。ユダヤ人特有の美しい白い身体が動くことなく山のように積まれたり首を吊る姿が転換点に使われたり頭だけを土から出しその上を馬が走り回ったり と かなり酷だ。終戦ホロコーストなんて無かったと信じている人が殆どであった。あまりにも人道的でないし中立の立場である赤十字でさえも“収容所”は難民キャンプだと認識していた。そんなところが印象的に描かれている。ホロコーストユダヤ人へのジェノサイドだと考えている人も多いと思うがそれは違う。性的にマイノリティであった方や障がいを持つ方も同じように虐殺された。ドイツ国外からも集められ人として扱われることはなかった。言葉による説明が少なく逃亡の苦労を伝える為に長回しでカメラのアングルがぐるぐると動き回るので少し混乱するかもしれません。あらすじを読んでから観てみてもいいかも。未だに世の中に明らかになっていない部分も多い題材だと思うけどドイツも出資している点にだけは救われた気がする。

ノルウェー政府や市民とユダヤ人を描く『ホロコーストの罪人』とジェノサイド関連で9月に『アイダよ、何処へ』が公開しますね。鑑賞後は暫く引きずるけど 過去に起こったこと というだけでは片付けられない事案なので私は観ようと思います。